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身も心も [本]

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こんにちは


最初の作品を読んでから、気がつけば20年以上の月日が過ぎて、
新感覚の新人作家というイメージをずっと持っていたのですが、
とっくの昔にベテランの作家さんになっていたのにきずきました^^;

盛田隆二氏の、『身も心も』

それほど、デビュー作の新鮮なイメージが強かったということ
だと思うのですが、最近作というか、ここ数年は
社会事象的なテーマの作品が多いように思います。

今回はどんな物語かな~と思い読みましたが、やはり
最近の傾向の強く出ている作品で、テーマはさらに深いものに。

ひとことで言えば、老齢者の恋愛ということになるのだと思うのですが、
社会の経済活動を引退した後の人生で、パートナーがいない人間は
どのように想い、どのように残りの時間を生きようとするのか。

妻を亡くし、長男家族と同居する典型的なな後期高齢者の男性と、
まだ老齢に差し掛かったくらいの生涯独身で、血縁者のない女性。

人は年を重ねると、自分で積み重ねてきたものに囲まれる。
それがよいものであれ、そうでないものであれ。

見えない囲いを乗り越えて得られる最終の時間は、どれほど
残っているのか、どれほどよろこびが増えるのか。

老いていくにしたがって、人生はどんどん過酷になっていく。

人は死ぬまで勇気を持ち続けなければ生きていけない。
最後は静かにおだやかに、というのは、まだ老齢にさしかかって
いない人の考えなのだということを、読んでいて思わせる作品でした。

文学として、もしくは文芸として、と思うと、個人的には
昔の作品のイメージが強烈な故、いまだにこの分野の作品には
物足りなさを感じてしまうのですが。。

この物語には、老齢者をとりまく様々な背景がとてもよく描かれています。

それは、老齢者と身近な立場でだったり、それほど深くない関係だったり
視点によってほんとうにいろいろな見え方をするし、やがて来る自分の
将来の姿を考えたりするのに、とても必要な物語だと思います。

初期のころのような作品を読みたいと、読み続けている作家ではありますが、
では、この物語はだれが書けばよかったのか?と考えると、
やはりこの作家にしか書けない物語なのかとも。

この物語が必要な人は、とても多いでしょう。
わたしも両親のことを思うのに、個人的にとても必要でした。

テーマ競作ということで、ほかの作家さんも同じテーマで書いています。
テーマは『死様』です。

気になる作家も書いているようなので、さっそくリクエストです^^


では、また。





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