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鍵のかかった部屋 [本]

こんにちは


貴志祐介氏の、『鍵のかかった部屋』

密室にこだわる4つの短編集なんですけど、探偵役などの
登場人物などは同じという、独立してはいるけど連作の作品。

どの作品も、すごいトリックで、長編作品の『青いハンマー』同様、
成立はするんだろうけど、そんなことよく考えたな、犯人、という感じ。

共通しているのは、犯人は、「せっかく成立させた密室を壊したくないので、
そのまま保存しようとする」ということで、これには、なるほど~でした。

作った本人じゃなければ、密室にはこだわらないですからね^^;


それにしても、この作品の密室は、どれもこれもとてもハイレベルです。
特に、自ら一酸化炭素自殺を図ったと見せている、表題作は圧巻。

密室殺人のミステリーなので、ネタバレには注意しないとということで、
あまり多くは書けませんけど、これは真似しちゃったらどうするの?って感じ。

映画化もされた、『青い炎』のトリックもよく考えるな~という感じでしたが、
最後には、注釈でわざわざ、「この通り殺人を行おうとしてもできません」
などと、書いてあったのが印象的。

この4つの殺人はどうなんでしょうね^^;

ガラステーブルに固定されて密室で死んだ、『佇む男』
前述したとおり圧巻の、『鍵のかかった部屋』
手抜き工事で開かなくなったドアと窓の、『歪んだ箱』

それぞれ絶妙なトリックなんですけど、最後の舞台上での衆人の眼による
密室というシチュエーションの、『密室劇場』に関しては、同時収録はどうなのか?

同じ登場人物たちなのでまとめたのかもしれませんが、かなり違和感ありました。
好きな人もいるかもしれませんけど、これ、いらなかったんじゃないでしょうかね(^^;

密室トリックに関しても、ほかの3作とはかなり精密度が違ってます。

ともあれ、殺人についてこんなにいろいろ考える作家としては、
随一ではないかと思うこの頃です^^


では、また。

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