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月の上の観覧車 [本]

こんにちは

いちばん最初にこの人の作品を読んだときに、こんな作家になるとは
まったく思っていませんでした。

荻原浩氏の、『月の上の観覧車』

最近は対策が多かったのですが、これはめずらしい短編集。


ひとことで言えることは、

泣かされます。


短編集というにはもったいないほど、それぞれの話が詰まっています。

どの物語にも家族がいて、人生がうまくいかなかったときに支えになる。

2005年の個人的最高作品賞、『あしたの記憶』で書いてくれた世界が
8つの短編にそれぞれ息づいているような作品になっています。

親から生まれて、自分の家族をもち、その後の親のこと。
自分の家族を持った時点で、親とは違う時間が流れる。
一度流れ始めてしまった時間を合わせることは難しい。

別々の時間を過ごしていくことは淋しいけど悲しいことじゃない。
親を置いて先に時計を進めることには常に罪悪感がありますが、
それを越えても先に進まなければ、親孝行とは言えない。。

物語には、その違う時間が流れる家族に、配偶者がいたり
子どもがいたり、かつて愛した人がしたり、なのですが、
この時間の流れの違いについて、折り合いをつけて生きていくことを
描いているという作品たちになっています。

短編集ではありますが、じっくり読んでほしい1冊です。


では、また。









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